2日目

一夜明けて、ホテルの窓から外を見ると、美しい山々と高級住宅街が目に焼き付いた。 そして、こじんまりとした競馬場が真下にあった。G1レースが盛んでギャンブル好きなフランス人の都市計画がそこにあった。 昼は19階の回転レストランで、食事をしながら街を眺めることができた。まさにここは観光立国に他ならなかった。 さらに昼過ぎに「チュウチュウトレイン」という遊園地の機関車そっくりの4両連結車で市内を走ることになった。まるで巨大なディズニーランドのようだった。美しい海沿いから山の手を走り、最後は市内へ戻ってくる2時間コースだった。我々のオモチャの車を喜んですぐ去る車たち、それは夢を運ぶ列車のようである。彼らから出るクラクションと笑顔は絶えることがなかった。 フランス語と英語を交互に話す現地のガイドの説明を聞きながら、美しい島々の見える丘に登った。15分の休憩で美しい景色をカメラに収めた。その間にガイドは私に近寄り、缶ジュースの注意を促した。 「ジュースは無料だが、この車が走っている間に飲むことはできないよ!」と。私は、その暗い影のある表情から何か深い意味を感じ取った。20代後半か30代の若者は、隠そうと必死だった。 風光明媚だった景色が、2番目3番目と丘を訪れるたびに感動がなくなってゆく。 最後のメインストリートを走るころには、黒人に近いポリネシアン人が、公園で働きもせずに汚い服のまま歩いていたり、ベンチで寝転んでいた。 浮浪者たちは、平日に働きもせずに彷徨っていた。ここには、完全な差別があるようだ。 ヨーロッパではどこでも見かけるヨットハーバー。のんびりとした裕福なフランス人と貧困そうな現地人。そして、裕福な日本人観光客。 美しい景色の底に住む黒い仲間たち。いつしか大きなギャップは拡大し、華々しい観光にメスが入るのも間近かのような気もする。