秋の気配

秋の気配を感じて、近くの温泉に出かけた。
そこは山口県にある俵山温泉の近く湯本温泉だった。そのあたりは江戸時代からの古い温泉が立ち並んでいた。土曜日の予約なしで行く場合、宿泊が難しいのを承知で近隣の食事場所で探してもらった。ホテルが板前と懇意だったので、何とか宿泊が出来た。
そこのホテルの温泉は最高だった。入湯した時は、肌が多少ピリピリして、次第に心地よくなった。だが、とても古い建物だったので、狭い廊下をじっくりと眺めてみた。
すると、薄く黒い影が何体も何体も通り過ぎてゆくではないか。霊体たちは、私に憑依することもなく、通り過ぎ一階の浴場に向かっていた。笑い声とも何ともつかないざわめきを感じた。福島の古い温泉に行った時も同じざわめきを感じたことがあった。秋は霊たちも温泉に入りたいのだと思った。

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