決着

野山を散策すると、涼しい秋の気配が漂っている。夏が過ぎ、彼岸も過ぎようとしている。彼岸花もこの時期には美しい彩りを見せている。そこに低い草木の中で、物凄い羽音を立てて2匹のスズメバチが地面で争っていた。お互いの尻の毒針で相手の体を刺し合っていた。私の1m先の所だったが、ハチはそれどころではなかったようだ。そして、ハチたちは、互いに下になった時、私の顔をじっと睨みつけてもいた。「邪魔をするな!」と言っていた。

しかし、彼らをよく見ると、過去は実は人間だった。過去でも戦っており、決着が付かないままだった。そこで、今世は、ハチになっても戦わなければならなかったのだろう。

互いのカルマの決算は、このような形でも行われるようだ。最終的には、お互いの体の傷を負ったまま共倒れになるだろうが、私が目を離した瞬間には、スズメバチの姿はなかった。

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