帰省

京都駅から新幹線に乗ると、帰省客で満杯だった。私は窓際の指定席に座った。人込みで疲れた私は、座るや否や眠り始めた。 しかし、斜め前の3歳くらいの男の子が、いきなり静寂を破って大声で泣き出した。若い金髪の母親は、なだめようとするが、一向に泣き止みそうもなかった。 私はその子をじっと見た。その子は、頭を先祖に抑えられて苦しそうだった。その鳴き声は、昔の蒸気機関車の張り裂けるような汽笛そっくりだった。 泣き止みそうにもない子供を抱えて、2人はトイレの方へ行った。しばらくすると、おとなしくなって席に戻った。私は、静かに眠り始めた。すると、その子は、私をずっと眺めていた。そこの先祖が私に訴えていたのだな、と分かった。そして、その子はいつの間にか眠ってしまった。その子が起きると、再びサイレンが始まった。その繰り返しをしている内に新幹線は小倉駅に着いた。本当に疲れた新幹線だった。