山の音

先日、テレビの映画チャンネルで川端康成の作品「山の音」を見た。40年ほど前に川端康成の作品をほぼ読んだ記憶があるが、殆ど忘れていた。 この「山の音」は、記憶に残ったのは「山の音が聞こえる」という一節だけだった。最近亡くなった原節子の作品ばかりを紹介した番組だったが、内容は家族の深刻な話ばかりだった。 ただ、鎌倉を舞台にした作品なので、古い鎌倉の街並みを垣間見ることが出来た。鎌倉を訪れると分かるが、お寺ばかりである。奈良や京都のお寺とは趣きが完全に違っている。 結構、禅寺が多く、狭い土地なのに神社と寺が統一されていない気がする。 霊的には、至る所で馬の蹄の音がかすかに聞こえる。鎌倉時代当時は、武者たちが力を誇示し、戦いの明け暮れだった、という。そのような武者たちの心を静めるのは、禅寺が必要だったのだろう。彼らにも、川端康成のいう「山の音」が聞こえていたに違いない。