大雨の日

日曜日、ゴルフのコンペだった。朝の曇り空は、昼食時には雷の鳴る土砂降り状態だった。食事を終えると、一転して晴れた。そして、途中の茶店休憩で雷雲から再び土砂降り。10分ほどで空は晴れた。

午後4時に八幡は大雨になった。ちょうど、ゴルフから帰る時間だった。本当に土砂降りの雨に会わずに良かったなと思いながら、車は交差点で止まった。

すると、傘も持たない老婆が、コンビニから出て間もなく、物凄い雨に当たっていた。老婆は、買ったものを頭に当て、雨を凌ごうとした。痩せ細った老婆は、びしょ濡れだった。口を開けているさまは、ムンクの描く絵「叫び」とそっくりだった。その顔で信号待ちをしながら、私の顔をじっと見るのだった。

あまりにつらそうな状態を見たコンビニの若い男性店員(30歳くらい)が、自分は傘もささずに老婆にコンビニの傘を手渡そうと、2回ほどの押し問答があった。信号待ちしていた車は、皆その状況を見ていた。だが、その老婆は、彼の親切心を無視して傘を受け取ろうとはしなかった。男性も苦笑いしながらコンビニへ帰った。青信号になって、老婆が横断歩道を渡ろうとすると、自分の突っ掛けが強い雨で脱げてしまった。頭のてっぺんからつま先までびしょ濡れの老婆は、泣いているのか笑っているのか、口をパクパク言わせて、歩道を渡って行った。

この老婆には、家に誰もいない一人暮らしが見え、寂しい生活が待っている。狭い部屋の片隅に亡くなったと思われる老人がいるようだ。寂しい顔は、老婆とそっくりである。その他の先祖たちは、頼っても仕方ないと思ったのか誰もいないようだった。

 

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