温泉

温泉

北九州には、皿倉山という600mほどの小高い山があり、その麓に温泉がある。自宅からは車で40分くらいである。
疲れていたので午前中、空腹のままそこへ行った。お年寄りと主婦が多かった。露天風呂の岩場には若者が大声でしゃべっていた。韓国人だった。感情の構造が明らかに違っていた。ふと見ると、裸なのに青黒いものを背後に引きづっていた。3人いるのに3人とも引きづっていた。
温泉で浸かり過ぎたせいなのか、と思った。彼らが去っていったその背後には、青黒いものは確かになかった。
5分後、浅い岩場を立とうとしたが、すんなりとは立てなかった。足取りが重く感じた。何か米俵でも背負っている感じだった。疲れて温泉に入ると、こんなにだるく重く感じるものかと思い、椅子に腰かけ鏡を見た。私の背後に彼らの黒いものが付いていた。
「やっぱりか」と思い、シャワーを浴びせると消えた。具合の悪そうなお年寄りたちは、皆そのようなものを付けていた。温泉は、確かに効き目はあるが、先祖たちも同時に憑いてくるので、厄介な場所でもある。