ニューヨーク

ニューヨーク

ニューヨークに初めて来た。 空港からホテルまで1時間半の距離だったが、マンハッタンの市街へ入るや車と人混みで急にごった返した。いわば、人種のるつぼで岩とゴミの世界に人が住んでいるようだった。仕事を中心に考える人ならば、最高の場所だと言えるが、一旦、気を許すと、とんでもない世界が待ち受けている、そんな町でもあった。 ほとんど時差のために飛行機の中では眠れなかったのだが、ホテルに着いて11時ごろには寝床に着いた。6時間はぐっすり寝たなと思って時計を見ると、深夜の0時半だった。都会のど真ん中のホテルなのに非常に静かだった。 しばらくすると、扉を小さなカードで何度も叩く音がした。もちろん、10mほど離れた部屋だったが、叩く音が女性の元を訪れる男性のリズムだった。一向に反応のないカードの音は、20分後に消えた。 ホテルの前の50階建てのビルは、3割が部屋の灯りが灯されている。私も短時間で熟睡できるこの町のリズムに不思議な共鳴感を覚えた。先ほど食事のために町を歩いたが、マイケルジャクソンのスリラーに出てくるゾンビらしい影が暗がりの至る所にいたのは確かだった。 暗がりと黒人、それに刺青男、メンインブラックに出てくるようなサングラス男も、ビルの陰にちらほらいたようだった。 まるでビリージョエルの音楽「ストレンジャー」の一節でも奏でるような、奥深い風景を肌で感じたニューヨークだった。