トラックの運転手

夜の明けない朝の都市高速を走っていると、大型トラックが猛スピードで走り抜けてゆく。1台2台と慌ただしくライトを点けて通り過ぎてゆく時、若い頃、運送会社でアルバイトをしていた映像が、フッと頭を過ぎった。

大手運送会社の下請け業者で働く運転手は、非常に荒々しいが優しい性格の人が多かった。そんな日々を過ごしていると、必ず悲報が入ってくる。彼らは時間に制限され、時間内で配達を余儀なくされた。そのために、車間距離を開けずに猛スピードで10時間以上走り続けなければならなかった。そして、雨の日や霧の深い日、雪の日に事故を起こす。一旦、事故を起こすと、死が待ち受けていた。あまり助かった、ということを聞いたことがなかった。会社は「ああ、死んだの?」だけで終わっていた。死というものが、頻繁に起こる世界だな、と感じていた。そんな時、下請けの仲の良い運転手に、その本音を聞いてみた。

すると、彼らは常に死を覚悟しており、短期間でお金を稼ぎ、独立資金を作っているのだと言った。だが、友達が次々に亡くなると、「明日は自分か」と運転しながら考えるという。ただ、事故を起こす場所は、決まった場所が多いらしい。そこへ行くと「何故か眠いんだよな。何かいるんじゃないの」とも笑いながら言っていた。

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