ギリシャ(5)

朝食をすませると、地中海で4番目に大きい島、クレタ島に着岸した。20分のバスで世界的に有名なクノッソス宮殿の遺跡についた。この宮殿の起源は5000年前らしく、しかも古さを感じさせない石の作りが極めて芸術的である。ミノア時代では、芸術的な絵画や浴場、下水道が完備されていたようだ。高度な宮殿は、床暖房まで完備されていた。
クノッソス宮殿 全体的に亡くなった霊たちは、そこはかと存在するというより、大洪水によって自然消滅して頓挫してしまった感じである。印象的な島というのではなかった。ただ、薄ぼんやりと白く美しい女性が浴場で湯浴みをしているのが微かに見えた。

再び船に乗り、午後5時過ぎにサントリーニ島に着いた。サントリーニ島は、アトランティスであったという説を確かめようと胸弾ませた。そして、着く前に船の10階のデッキからサントリーニ島を見た。何か込み上げるものがあったが、陸に上がり、バスで急な崖を登って突端の観光地イアに着くと次第に冷めて行く自分がいた。 サントリーニ島 それは、あまりの観光客の多さである。普通の空き地に観光バスがびっしりと駐車し、バスを降りてからは、さらに狭い道路に人、人、人だった。大声を出し、礼儀を知らない中国人には、他の観光客もうんざりしていた。
サントリーニ島は現在も巨大な活火山の島である。地震が多く津波などでかつて大勢の人が亡くなっている。従って、街にたどり着くまでの風景は、荒涼とした風景が広がっていた。墓所も多く、亡くなっても佇む霊が多いために、人以上に霊的な混雑を何故か感じてしまった。島最大の観光スポットのイアでは、確かに美しい夕焼けと白い建物群は有名なのだが、混雑する人混みは、安らぎとは程遠いものだった。ただ山道脇のテラスに入ろうとする超美人の女性を見た時、スローモーションのように動く姿は、今でも頭に刻まれている。普通の人ではないのだけは確かで、その調和のとれた身体の美しさと身のこなしからくる品の良さを感じさせてくれた。その貴重な邂逅だけでもサントリーニ島に来た価値はあった。
サントリーニ島2 サントリーニ島を去る港で、誰もサントリーニ島のイアという町が巨大な崖の上にあるなどとは思わないだろう、と思ったし、アトランティスの叡智では、火山と知って都市を創る訳がないとも思えた。そして、アトランティスは、こんなに小さな島ではないと確信した。沈没したアトランティスは、巨大原子炉のエネルギーによる爆発から地殻変動を起こし、地震とそれによる巨大な津波を引き起こしたのであって、火山の爆発が原因ではなかった、と確信した。