がん

私はゴルフコンペの昼時に食事をしていた。

すると、70歳の男性から声をかけられた。

「健康そうですね。どこも悪くはないでしょう」と言われたので、

「ええ、どこも、至って健康です」と答えた。

すると、その男性は、おもむろに薬をたくさん出して「実は、ガンなんです。」

「ガンといいますと」「腹を昨年、切りました」

「なんのガンですか」と聞くと、「すい臓ガンです。すい臓ガンは、一番転移しやすいらしく、油断ができません」

「ゴルフは良くないでしょう」と言うと、「医者はゴルフを勧めるんです。だから、大いに頑張っています」

私は、供養をすれば、かなり良くなるのに、と思ったが、初対面なのに失礼と思うだろうから、話すのを止めた。確かに、重いものが内蔵にびっしりしがみついている。これでは、ガンになっても仕方がない、と思った。こうやって、何も知らずに、先祖に何もしてやらずに亡くなってゆくのだろう、とも思った。ガンで亡くなれば、自分が今度は先祖になり、先祖たちから最後尾に追いやられてしまう。そんな映像が見えた。

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